Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しまでをかたる

死までを語る

直木 三十五

Lisez 死までを語る (しまでをかたる) de 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 42 739 caractères · 85 écrans

Aozora Bunko

父が叱るので、母に頼んで、この見料をもらうのであるが、私が子供の上に、貧乏であるし、近所でもあるし、とにかく、一寸、立っている間に、半分位は読むので、本屋の方で、私の立読みを黙許してしまってくれた。

それから弟を、子守してやると云って背負って出ては、ここへ入込んだ。その内に、講談本のみでなく、渋柿園、涙香、弦斎、というようなのが入ってきた。これは少しむずかしすぎて、読むのに骨が折れた。そして、読書力の低い、この町の人々は、講談の本がよいらしく、この三人の外に、柳葉、春葉が入ってきたまま、通俗小説は、来なくなってしまった。「金色夜叉」や「不如帰」を読んだのは、遥かに後であった。

この貸本屋一件が、転じて、図書館行になるのであるが、私が尋常小学を出て、高等小学へ入ると共に、成績が、中位になってしまったのは、この貸本屋の御蔭である。

尋常小学での、私の記憶は、この位しかない。幼稚園で、初めて習った唱歌が

霞か、雲か、はた雪か

とばかり匂うこの花盛り

であるとか、日清戦争の直後とて

煙も見えず、雲もなく

風も起らず、浪立たず

のような軍歌が、盛んだった記憶があるが、それは、私一人だけの話でないから、省いておく。