Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ししゃのけんり

死者の権利

浜尾 四郎

Lisez 死者の権利 (ししゃのけんり) de 浜尾 四郎 (はまおしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 854 caractères · 61 écrans

Aozora Bunko

但しこの話のすべては、私が直接職務の上で関係しているのですから、当事者の名を明かにするわけには行きません。凡て仮名を用いますからその積りで聞いて頂きたいのです。

事件は、先ず私が検事をしていた時から始まります。

仮名ですからこう申しても、或いはすぐ思い浮べられないかも知れませんが、昭和×年の秋、須山健吉という有名な実業家の息子で、須山春一という、あの当時二十五歳の青年が、刑事事件の被告人として法廷に立った事があります。この話はあの事件から出発しますが、あの時、須山春一に対して公訴を提起したのは即ちかくいう私であります。

事件そのものは極有りふれた珍しくないもので、それこそあなたの小説の種になりそうもありません。いや成ればむしろ、通俗小説でしょう。恋愛小説ですね。

何分被告人の父親というのが、須山健吉といういわば上流社会の人ですから、事は極めて有名な事件になってしまいました。健吉氏の長女即ち被告人春一の姉は、某子爵の後嗣の所に嫁いでいるし、健吉氏の夫人の弟は貴族院議員になっていますし、そうして健吉氏自身は大会社の重役です、そういう人の一人息子で、且つ××大学の学生である春一が、刑事被告人になったのですから、これは世間が騒がない方が不思議だと申してよいかも知れません。