Classiques japonais avec furigana
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ひかくしんわがく
比較神話学
高木 敏雄
Lisez 比較神話学 (ひかくしんわがく) de 高木 敏雄 (たかぎとしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 177 624 caractères · 348 écrans
汝の婿たる可き者をば、人間の種なりと思う勿れ。恐ろしき蛇神の子、それ汝の婿たらん。雲を起し、風に乗りて、大空を翔り行く。もし近かん者は、悉く殺されん。天神ツォイスの避くる所、万の神の畏るるところなりと。かくてプシヘは、蛇神の妻となりぬ。然れども、男神は常に夜のみ来て、昼見えず。また妻を戒めて、その形を見ることを許さず。唯、夫妻の幸福歓楽は人間の世のものには非ざりき。而して二人の姉の嫉妬心は、遂にプシヘの心を迷わしめ、好奇心に駆られて、夫神の命に背きて、火を点ずるに至りて、両者の分離となりぬ。
今日の神話学は、未だ此形式の神婚神話を、解釈すること能わず。希臘神話のアモールとプシヘとの結婚説に関しては、天然神話説あるも、信ずるに足らず。よし其説を、かりに許す可き者とするも、唯分離の一条を説明し得たるに過ぎず。人類学的神話学者は、配偶者間の風習によりて、之を説明せんとす。この説明は甚だ大なる根拠を有するも、之また、唯分離の一条を説明し得るに過ぎず。男神の夜のみ来りて、昼見えずとの一条は、到底天然神話説によりては、説明す可からず。人類学的神話学説は、またかの風習説によりて、此一条を説明せんと欲す。