Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かっぱ

河童

芥川 竜之介

Lisez 河童 (かっぱ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 576 caractères · 75 écrans

Aozora Bunko

二

が、大きい橡の木が一本、太ぶとと枝を張った下へ来ると、幸いにも放牧の牛が一匹、河童の往く先へ立ちふさがりました。しかもそれは角の太い、目を血走らせた牡牛なのです。河童はこの牡牛を見ると、何か悲鳴をあげながら、ひときわ高い熊笹の中へもんどりを打つように飛び込みました。僕は、――僕も「しめた」と思いましたから、いきなりそのあとへ追いすがりました。するとそこには僕の知らない穴でもあいていたのでしょう。僕は滑らかな河童の背中にやっと指先がさわったと思うと、たちまち深い闇の中へまっさかさまに転げ落ちました。が、我々人間の心はこういう危機一髪の際にも途方もないことを考えるものです。僕は「あっ」と思う拍子にあの上高地の温泉宿のそばに「河童橋」という橋があるのを思い出しました。それから、――それから先のことは覚えていません。僕はただ目の前に稲妻に似たものを感じたぎり、いつの間にか正気を失っていました。

二

そのうちにやっと気がついてみると、僕は仰向けに倒れたまま、大勢の河童にとり囲まれていました。のみならず太い嘴の上に鼻目金をかけた河童が一匹、僕のそばへひざまずきながら、僕の胸へ聴診器を当てていました。