Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どろぼうとわかとの

泥棒と若殿

山本 周五郎

Lisez 泥棒と若殿 (どろぼうとわかとの) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 601 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

「それでその、飯なんぞどうするんだ、なにか当はあるのか」

「――なんにも、ない」

「ないったって、そんなおめえ、それじあかつえて死んじまうぜ」

「――まあそうだろう」

男はまた頤を撫で、ぼんのくぼを掻いた。こちらを見たり、肩をゆすったりして、なにかあいまいなことを云って、不決断にいちど出てゆこうとした。が、すぐ引返して来て、

「しようがねえ、冗談じあねえ」

こう云って赤児の頭ほどの風呂敷包を腰からとり、成信の前へどさりと置いた。

「まさかおめえが飢死にをするってえのに、おれがみすててゆかれるもんじあねえ、とんだところへへえっちまった、こんなべらぼうなはなしがあるもんか、――だが、まあしようがねえ、なんとかするから、これでも食べて待っていねえ」

「――おまえそれで、どうするんだ」

「どうするったってどうしようもねえじゃねえか、なんとかするよりしようがねえ、まあいいから此処に待っていねえ」

男は怒ったような顔でどこかへ出ていった。

――土地の人間ではないな。

成信はこう思った。この附近はいうまでもない、城下町の者でさえ、この鬼塚山の御殿が廃屋であり、近づくことを禁じられ、それを犯すと罰せられることを知っている。