Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
どろぼうとわかとの
泥棒と若殿
山本 周五郎
Lisez 泥棒と若殿 (どろぼうとわかとの) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 601 caractères · 41 écrans
九
「――おれは、躯は丈夫だよ」
「自分じあそのつもりだろうがそうじあねえ、おめえの躯は病んでる、病気てえものじあねえかもしれねえが」
伝九郎はきまじめな顔でこちらを見た。
「そうよ、躯か心んなかかわからねえが、とにかくどこか相当いたんでる、おらあこれでそういう勘はわりかた慥かなんだ」
「――ほう、そんなふうにみえるかな」
「心配するこたあねえんだぜ、信さん、おれがついてるからな、大船……ってえわけにあいかねえが、おれにできるだけのこたあするつもりだ、まあいいから、当分おめえは暢気にしていねえ」
九
成信は本気であった。伝九郎といっしょにここを出奔し、どこでもいい、この身で働いて、人間らしい慎ましい生活をしよう。伝九郎を騙し、搾り、くすね、罵しり辱しめたような人間はどこにでもいるに違いない。しかしそれもさして悪くはない、権力争奪の傀儡にされるより、はるかに人間らしく、生き甲斐もありそうだ。
――出てゆこう、伝九郎といっしょに、自分で働いて生きよう。
成信がそう決心するのと反対に、伝九郎はなかなか動くけしきがなかった。堤防工事の人足の親方がだいぶ彼に執心で、その頃はもう小頭にひきあげていた。