Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どろぼうとわかとの

泥棒と若殿

山本 周五郎

Lisez 泥棒と若殿 (どろぼうとわかとの) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 601 caractères · 41 écrans

Aozora Bunko

「飯も上出来だし魚の焼きかたもいいし、おまけに芹のしたしたあ驚いた、こいつあたいした驚きだ、兜をぬいだぜ」

成信は笑ってなにも云わなかった。

「お侍は恐えてえことを云うがまったくだな、すまして肩肱を張ってるが、いざとなれあこんなこともできるんだ、やっぱり修業てえものが違うんだな」

「――そう褒めるな、まぐれ当りだ」

「御謙遜にあ及ばねえ、と、思いだしたんだが、おめえさっきこれにあわけがあるとか云ったようだが、あれあなんだ」

「――うん、しかしそれは、喰べてからに、しよう」

「気をもたせねえで呉れ、心配になるぜ」

食事をしながら話すつもりだった。しかし箸をとってみると口がきれない、それでいっとき延ばしたわけであるが、食事が済み、あと片づけが終って、いつもの炉端へ坐ってからも、胸さきの詰るような気持で、どうにも話しができなかった。

「どうしたんだ、わけてえのはなんだ」

「――なに、たいしたことでは、ないさ」

「たいしたことでねえにしても、話しを聞かなくちあおちつかねえ、云って呉んねえな」

成信は蚊遣りの煙にむせて、咳をしながら脇へ向き、笑いながら、じつはわけもなにもない、あのときのでまかせだと云った。