Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あさまふんかこう

浅間噴火口

豊島 与志雄

Lisez 浅間噴火口 (あさまふんかこう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 938 caractères · 24 écrans

Aozora Bunko

何か新鮮なものに触れてきたような様子だった。

彼はそこに大きな盆を二枚差出した。木の丸盆で、内側の周囲に桜の花が不器用に彫ってあった。

「おばさんにお土産です。こんなもの、使えませんか。」

正枝はまだ黙っていたが、お茶を一口すすると、いきなり云った。

「一体、どこに行ってたんです。」

「だから、これ、軽井沢からのお土産です。」

「軽井沢ですって。」

「ちょっと寄りました。浅間山に登ってきました。」

「そして、別所さんは……。」

「一緒です。」

別所のことを云い出されても、李は訝る気色もなく、初めから分ってたもののような応対だった。

「浅間の噴火口はみごとです。ほんとによいことをしました。別所君をあの中に叩きこんでやりました。」

「え、噴火口に……。」

「それがよかったんです。元気になって一緒に帰ってきました。」

正枝は暫く黙っていた。そして案外低い声で云った。

「なぜ断って行かなかったんですか。どんなに気を揉んだか知れませんよ。」

「ひどく急でした。別所君がふいに、行こうと云いました。噴火口にとびこむか、断然あれを思いきるか、どっちかにすると云うんです。だから、見届けについて行きました。