Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あさまふんかこう
浅間噴火口
豊島 与志雄
Lisez 浅間噴火口 (あさまふんかこう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 938 caractères · 24 écrans
」
正枝はその話についてゆけなくて、ぼんやり李の顔を見戍った。
「御飯をたべさして下さいよ。おなかがすいています。昨夜から汽車の中でなんにも食べていません。」
「今あげますよ。それよりか、はっきり話してごらんなさい。あなたの話はちっとも分らない。」
「だって、おばさんに分ってるんでしょう。」
分ってる筈だというように、明らさまな眼で正枝を見あげた。
「分っているけれど、もっとはっきり話してごらんなさい。」
そこで、李が前後めちゃくちゃに話したところに依れば――
別所は野田沢子――「パルプ」の断髪の女――に失恋し、その上、沢子と他の男とのひどく親しい様子を見せつけられ、二人が自分を嘲笑してるのだとひがんで、自暴自棄な気持に陥っていった。沢子を「パルプ」に紹介したのは別所であり、随って此度は、「パルプ」から脱退したらよかろうとあてつけてやった。それが却って彼の敗亡者たる立場を浮出さした。そういうところへ、彼が心血をそそいで書いていた小説は、李から見ると全く寝言みたいな他愛ないものだった。何等の真実性もない文字の羅列にすぎなかった。彼は苦悩の余り血を吐いた。失恋と病弱と自信喪失と、これは自殺に誂え向きの定型である。