Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かいひんそうのさつじん

海浜荘の殺人

山本 周五郎

Lisez 海浜荘の殺人 (かいひんそうのさつじん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 672 caractères · 18 écrans

Aozora Bunko

不安の兆

「さっき電報が来たよ、もう二三日滞在させて貰うという事だ。なに屈竟の若者が四人もいるんだからこちらは大丈夫さ」

不安の兆

志津子が祖父の用を果して浜へ出ると、四人の青年は既にひと泳ぎした後らしく、大きな海岸傘の蔭へ寝転んでいた。

「やあ姫君のお出ましだ」

「遅かったですね」

「さあ此処へお入りなさい」

千之は黙っていたが、他の三人は馴れ馴れしく、まるで手を執らん許りに起上って来る。志津子は冷やかに、

「有難う」

ケープを脱いで、

「あたし先に泳いで来ますから」

と活溌に汀の方へ立去った。すんなりと円みをもった、若鹿のような美しい体に、ぴったりした純白の水着が描きだす曲線はすばらしいものだった。――鵠沼でもその浜はブルジョワ地帯で、青年も令嬢たちも粒選りの洒落者揃いだったが、その中でも志津子の美しさは群を抜いているので、

――白の姫君

と専らの評判であった。

「――今日は、令嬢」

「見ろ、王女様のお通りだ」

「今日こそ負けるな」

四辺にいた青年たちは、そんな事を云いながら、志津子の後から海へ入って行った。志津子は美しさ許りでなく、泳ぎにかけてもその浜で続く者がなく、毎も海へ入るなり、ぐんぐんと抜いて、遥かに遠い沖へ独りで行って了う。