Classiques japonais avec furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Lisez 渡良瀬川 (わたらせがわ) de 大鹿 卓 (おおしかたく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 280 528 caractères · 557 écrans
そうして自分の命を自分のものと思うのは不遜なことだと気がつきました。人間に生れた尊さ有難さに思い到って、慄然と身ぶるいしました。自分の生れたのは父母のお蔭であり、国のお蔭であり、天地のお蔭である。人間の生存はこれに報いるためである。そう考えてくると人生の価値は絶対無限だとわかって、獄中でいてもたってもいられぬ思いを味いました。自分が自由のからだになったら、良知良能の教えるところに依って、身と魂の限りを尽して働こうと、そう心に契ったのでした。ですが、やはり獄中で偶※(二の字点、1-2-22)ウエリントンという偉人の伝記を読んで、その人が戦々兢々負債を恐れるという一節に、私はひどく胸を打たれました。自分はたとえ嫌疑の獄を免れ得ても、身はなお義務の獄中にある。この獄中にあるあいだは自分は到底志を伸ばすことはできない。そう覚ったものですから、この数年はこの義務の獄を免れるために努力しました。そうして、やっと不覇独立の身になったと思ったので、こんなお願いもするわけです。決して昨日今日の決心ではありません」
「だが人間の心は弱いものだ。自分が正当に理解されない場合には誰しも不平が起きやすい。