Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
Lisez 濹東綺譚 (ぼくとうきだん) de 永井 荷風 (ながいかふう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 57 666 caractères · 114 écrans
「忘れていた。いいものがある。」とわたくしは京橋で乗換の電車を待っていた時、浅草海苔を買ったことを思い出して、それを出した。
「奥さんのお土産。」
「おれは一人なんだよ。食べるものは自分で買わなけれア。」
「アパートで彼女と御一緒。ほほほほほ。」
「それなら、今時分うろついちゃア居られない。雨でも雷でも、かまわず帰るさ。」
「そうねえ。」と女はいかにも尤だと云うような顔をして暖くなりかけたお鍋の蓋を取り、「一緒にどう。」
「もう食べて来た。」
「じゃア、あなたは向をむいていらっしゃい。」
「御飯は自分で炊くのかい。」
「住宅の方から、お昼と夜の十二時に持って来てくれるのよ。」
「お茶を入れ直そうかね。お湯がぬるい。」
「あら。はばかりさま。ねえ。あなた。話をしながら御飯をたべるのは楽しみなものね。」
「一人ッきりの、すっぽり飯はいやだな。」
「全くよ。じゃア、ほんとにお一人。かわいそうねえ。」
「察しておくれだろう。」
「いいの、さがして上げるわ。」
女は茶漬を二杯ばかり。何やらはしゃいだ調子で、ちゃらちゃらと茶碗の中で箸をゆすぎ、さも急しそうに皿小鉢を手早く茶棚にしまいながらも、顎を動して込上げる沢庵漬のおくびを押えつけている。