Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えぼしだけのちょうじょう

烏帽子岳の頂上

窪田 空穂

Lisez 烏帽子岳の頂上 (えぼしだけのちょうじょう) de 窪田 空穂 (くぼたうつぼ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 432 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

そこをいざり尽すと、私たちは崩れの上に直立している、滑らかな花崗岩の面を伝わらなければならなくなった。

「ここをどうして伝うだろう?」と私は怪しんだ。

先に立った案内は、岩の面にからだを擦りつけて、両手を一ぱいに拡げて岩に抱きつくようにした。岩の面は広くて、拡げた手も向うへは廻らない。又、岩の面は滑らかで、指の懸かるほどの突起も窪みもない。足はと見ると、そこには、岩の面に一と筋の筋がついている。その筋の上へ、屈めた足の指を吸いつかせつついざらせつつ進むのであった。案内のからだの下には、足の下には、深い深い崖が空に向って拡がっている。

案内が伝わってしまうと、小林君が伝わって行った。

私も伝わらなくてはならなくなった。私は、今眼に見た光景と、心に感じた不安から離れようと思った。草鞋をその筋の上に踏みかけ、両手を拡げて岩の面に抱きついた時、私は眼を、その向った一点に注いで、それより外は何もない場所と思おうとした。私の下腹には力がはいって来た。私の足の爪先は、静かに、伸び屈みしつつ進んで行った。それと共に、岩に擦りつけていた腹もいざって行った。

手の指が岩の曲り目を捉えた。