Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
むだい(こうんのじゅうぞうしついとうしょかぶんしゅう)
無題(故海野十三氏追悼諸家文集)
野村 胡堂
Lisez 無題(故海野十三氏追悼諸家文集) (むだい(こうんのじゅうぞうしついとうしょかぶんしゅう)) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 474 caractères · 1 écrans
「海野さんのものを全部読まして下さい」と言って来た、若い電気学生があった。それは私の知人の次男坊で、私の書いたものなどは、鼻であしらって、一向感服した顔もしてくれないお点の辛い青年であったが、海野君の作品にひどく傾倒して、私の持っている海野十三氏著の幾十冊を悉く読破して、まだもの欲しそうな顔をしているのであった。
その青年は今はもう立派な弱電気の学者になり、さる学校で教鞭を執っているが、今でもなお海野君の愛読者たるに変りはなく、海野君に満腔の好意を持っていることを私は知っている。
海野君の強さは、斯んなところにあったと思う。あの作品に通じている特色は、海野君の聡明さと、あの魂の美しさだ。
海野君の死は惜んでも惜み足りない。私も若くて親切な友人を喪った悲しみに打ひしがれているが、それよりも海野君を喪った、幾十万の読者の悲みと失望は容易ならぬことだろうと思う。
これは決して形容詞や誇張ではない。私と海野君の交りは極めて淡いものであったが、今となって、もう少し繁々と往来して、海野君の良さに接して居るべきであったという、大きな悔に悩んでいる。