Classiques japonais avec furigana
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ぼたんとうき
牡丹灯記
田中 貢太郎
Lisez 牡丹灯記 (ぼたんとうき) de 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 377 caractères · 15 écrans
と言って、燈籠を持った少女の方を見返って、
「金蓮、こちらでちょっと休まして戴きますから、お前もおいで」
少女は引返してきた。
「すぐ、その家ですよ」
喬生は自分の家の方へ指をさした。少女は燈籠を持って前へ立って行った。二人はその後から並んで歩いた。
「ここですよ」
三人は喬生の家の門口へきていた。喬生は扉を開けて二人の女を内へ入れた。
「あなたのお住居は、何方ですか」
喬生は女の素性が知りたかった。女は美しい顔に微かに疲労の色を見せていた。
「私は湖西に住んでいる者でございます、もとは奉化の者で、父は州判でございましたが、その父も、母も亡くなって、家が零落しましたが、他に世話になる、兄弟も親類もないものですから、これと二人で、毎日淋しい日を送っています、私の姓は符で、名は淑芳、字は麗卿でございます」
喬生はたよりない女の身が気のどくに思われてきた。
「それはお淋しいでしょう、私も、この頃、家内を亡くして、一人ぼっちになっているのですが、同情しますよ」
「奥様を、お亡しなさいました、それは御不自由でございましょう」
「家内を持たない時には、そうでもなかったのですが、一度持っていて亡くすると、何だか不自由でしてね」