Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lisez 狂い凧 (くるいだこ) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 111 430 caractères · 226 écrans

Aozora Bunko

片手にはイギリス産のウィスキーを提げていた。のそのそとオンドルの上に登って来た。

「いいものをせしめて来たよ。今夜は皆で飲もうや」

城介の声は明るかったが、顔はやや青みを帯びていた。

「中田軍医に会うのに、拳銃なんか必要はないでしょう。それに拳銃を持って行ったというのは――」

加納はちょっと言い淀んだ。

「矢木君は軍医と刺違えるつもりで行ったんじゃないかと、わたしは推量するんだがね、中田軍医はそれにおびえて、またどうせこの乱暴者は間もなくいなくなる予定だし、というわけで、強制入院を撤回したんじゃないかと思うんだ。そんな男でしたよ、中田という隊長は」

「では城介君は治療しようという気持はなかったのかね」

「いや。それはあった。是非なおりたいという気持は、充分に持っていたね。だから自制して、量をすこしでも殖やすまい、減らして行きたいと、これはたいへんな努力をしていたと思う。しかしそれが出来なかったんだ。わたしはその翌日か、何日から常用するようになったと訊ねたら、彼は笑ってごまかしたけれど、わたしの推定ではやはりオルドス作戦前後だね。あれほどわたしらは信頼し合っていたのに、彼は自分自身の苦しみや悲しみを、ほとんど打ちあけなかった。