Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lisez 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 289 044 caractères · 575 écrans

Aozora Bunko

けれども涙なんか出すほど本気で傾聴して「ほんとに僕は不思議と思う、だって姉さんはちっとも自分の得になりもしないのに、こんなに考えていてくれるんだもの。僕も二三日今の気持でいられたら、すこしは偉くなっているんだけれど、一晩ねるとケロリとしてしまうんだから困る」というのですものね。決して愚弄して云っているのではないのよ。本当に傾聴するのも本当だし、ケロリとするのも本当なの。女房は天下一品と云うのはうそではないのです。しかし、というのもうそではないの。ですから困ってしまう。十七八の頃からそういう二面性はつづいているのです。それにこの頃のあのひとの心には、自分の家庭はうちのこと、という感じだから、そんなに姉さんに世話をやいてもらわずといい。それより世話やかせないでくれればいい、というようなところでね。だって、あのひとは、父の遺族という名を何かにかかなければならなかったとき自分、おかみさん、太郎だけ三人かいて、寿や私は抹殺した感情ですから。これは何だか私に忘られない感じでのこって居ります。全般から来ているのです。何とも云えない強情さと妙な感情のつよさもあるから、私はまあ、こじらさないようにつきあってゆきます。