Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たまとりものがたり

玉取物語

久生 十蘭

Lisez 玉取物語 (たまとりものがたり) de 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 495 caractères · 19 écrans

Aozora Bunko

回生を意図して、生体のそれも陰嚢に刀を入れるなどは、わが国の医術がはじまって以来、これが最初のことじゃ。言うまでもないが、一世を劃する試みとなるわけでござる。われらの名聞など、どうあろうとさしかまいはないが、このたびばかりは、なんとしても仕終わせねばならぬ。万一にも仕損じたら、この先、蘭方外科は何とあるであろう。それでは困るから、取掛るからには、手ぬかりのないように、万全を期さねばならぬ。まず施術の時期だが、それについて戸塚氏に御意見があったら承っておきたい」。戸塚の意見は、かすとらちおんの医書には去勢の術は寒暑の候はいずれも不可、春、秋、殊に早春がよいとあった。これは牛馬のことで、殿のふぐりは譬えにならないようなものだが、なんといっても施術の器具が思うようでなく、消毒の方法も不備だから、感染の恐れの少ない季節を選びたい。なおその上、寛怠に似て恐縮だが実はまだ研究が十分でない。行届きかねるところもある。自信もないのに執刀するのは、天を懼れざる仕方だから、ならば一日でも先へ繰延したいのが真意だということであった。

幸いなるかな、殿上の御腫物は良性でござって、梅瘡にも、労性にも、癌腫にもその方の悪性の筋をひいていないから、仮りに小児頭大の極度に及ぶにしても、そこまで行くには半年や十月の余裕があるものと見てよい