Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きけいのてんにょ

畸形の天女

江戸川 乱歩

Lisez 畸形の天女 (きけいのてんにょ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 893 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

「おれは、こいつに殺されるんじゃないかな」松永はふとそんなことを考えていた。

「おじさん。わかったね、おれのきもち。たのんだよ。ほんとにたのんだよ」

青年は、ねばっこい言いかたで、そういうと、プイと、うしろ向きになって、そのまま立ち去って行った。

青年の少し猫背になった黒い影が、町角をまがると、松永は急ぎ足にそこまで行って、物影からのぞいて見た。青年はふりむきもせず、スタスタと歩いて行く。そして、間もなく、また向こうの角をまがってしまった。

いやあな後味が残った。今夜はふみ子に逢うのをやめて、このまま帰ってしまおうかとさえ考えた。しかし、ふみ子が、空き家の中で待ちこがれていることを思うと、帰る決心はつかなかった。おれだって、さめざめと泣きたいほど好きなんだ。あんなヨタモンにまけて、スゴスゴ帰ることがあるもんかと思った。

空き家の前までくると、青年がつけてきたのではないかと、よくあたりを見廻したが、そのけはいもなかった。

半びらきの板戸のすきまから、手さぐりではいって行くと「松永さん?」と、少女とも思えない淫蕩な低い声が、奥の方からきこえてきた。

双方から手さぐりで近づき、しっかりと抱き合った。