Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きけいのてんにょ
畸形の天女
江戸川 乱歩
Lisez 畸形の天女 (きけいのてんにょ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 893 caractères · 35 écrans
3
十六歳の少女が、どうしてあのような妖婦になり得たか、常識ではまったく判断もつかなかった。それは神秘で、神々しくさえあった。夜ふけて、少女に別かれるのが、そして、宮城圭助に戻るのが、彼には、甘美な夢からさめるときのようにつらく、もの憂かった。
3
宮城圭助は、夢の国の畸形の天女を恋することが烈しかったけれども、決して、一週間に一度という掟を破らなかった。彼の別世界を永続させるためには、この自制が必要欠くべからざる条件だった。
きょうは天女との四度目の逢う瀬であった。一週間前の晩には、ちょっと気になる出来事があった。十時頃、少女と別かれて、千住の裏町を歩いていると、うしろから呼びかけるものがあった。
「おじさん、今晩は。おじさんは、ふみ子を可愛がってくれてるんだってね。ありがとうよ。おれからもお礼をいうぜ」
そして、前に廻って、立ちはだかった。
二十五、六歳のヨタモン風の青年だ。ギャバジンのズボンに、茶色のジャンパーを着ている。雑貨屋の店の電灯が、青年の顔を照らした。狭い額に傷痕のあるいやな顔だった。テカテカ光らせた髪、眼が細くて、顎が張っていた。物を言うたびに、唇のはじを、いやな恰好にまげるくせがあった。