Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しろ

白

芥川 竜之介

Lisez 白 (しろ) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 577 caractères · 16 écrans

Aozora Bunko

四

それから僕のお母さんにも命拾いの御礼を云わせて下さい。僕の家には牛乳だの、カレエ・ライスだの、ビフテキだの、いろいろな御馳走があるのです。」

「ありがとう。ありがとう。だがおじさんは用があるから、御馳走になるのはこの次にしよう。――じゃお前のお母さんによろしく。」

白はちょいと空を見てから、静かに敷石の上を歩き出しました。空にはカフェの屋根のはずれに、三日月もそろそろ光り出しています。

「おじさん。おじさん。おじさんと云えば!」

子犬は悲しそうに鼻を鳴らしました。

「じゃ名前だけ聞かして下さい。僕の名前はナポレオンと云うのです。ナポちゃんだのナポ公だのとも云われますけれども。――おじさんの名前は何と云うのです?」

「おじさんの名前は白と云うのだよ。」

「白――ですか? 白と云うのは不思議ですね。おじさんはどこも黒いじゃありませんか?」

白は胸が一ぱいになりました。

「それでも白と云うのだよ。」

「じゃ白のおじさんと云いましょう。白のおじさん。ぜひまた近い内に一度来て下さい。」

「じゃナポ公、さよなら!」

「御機嫌好う、白のおじさん! さようなら、さようなら!」

四

その後の白はどうなったか?――それは一々話さずとも、いろいろの新聞に伝えられています。