Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひゃくあしちがい

百足ちがい

山本 周五郎

Lisez 百足ちがい (ひゃくあしちがい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 491 caractères · 56 écrans

Aozora Bunko

……又四郎はその前へいって立ち、おじぎをして、ちょっと笑っていった。

「しばらくでしたねえ、和尚さん、いかがですか、墓の下のぐあいはどんなものですか」彼はそっと片方の手を振った、「今だからいいますがね、私は実は、ひところは和尚さんをおせっかい坊主だと思いましたよ、正直にいいますがねえ、……ところがあれから五年、帰って来てみてですねえ、いろいろ現実面に接してみて、驚きましたよ、まったくのところ驚いたんです」

又四郎は桶屋町の裏長屋を思い、足軽におとされた伝内を思い、胃がやぶけて死んだという丙午を思った。豪傑笑いをして夜半に逃亡した苅賀由平二、庭へ土下座をした運蔵。これらの人々の、身の上の転変と盛衰、……しかもすべては五年間のことである。このあいだ又四郎は「参」つなぎの百足ちがいで、人にばかにされながら悠々とやって来た。そしてかれらが或いは生活にやぶれ、堕落し、或いは死し、出奔して、すでに人生をなかば遣いはたしているとき、逆に又四郎は側用人にあげられ、結婚しようとしている。彼の人生は、実にこれから始まろうとしているのである。

――せくこたあねえ、せくこたあ。