Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひゃくあしちがい
百足ちがい
山本 周五郎
Lisez 百足ちがい (ひゃくあしちがい) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 28 491 caractères · 56 écrans
又四郎には雪海和尚の声が聞えるようであった。肱枕をして、ごろっと寝て、酒臭いげっぷをしながらのんびりと和尚はいったものだ。
――じたばたしたとって、春が来ねえば、へえ花は咲かねえちゅうこんだ、おちついてやるだよ。
そうだ、なんにもせかせかすることはなかった。ゆっくりと腰を据えて、するだけの事をこつこつとやっていれば、それだけのものはいつか必ず身にめぐって来るのだ。
「世間の人たちはせかせかし過ぎる、眼のさきの事でじたばたし過ぎるんですねえ、和尚さん、それで却って肝心のものを掴みそこねるらしい、……今になって和尚さんのいったことがわかったような気がします、仮にもしあのとき私が、あの松家おかね嬢を……うう、その」
又四郎の眼にはふと松家邸の客間の、あの賑わしい光景が思いうかんだ。彼はぞっとして、それから片方の手を振っていった。
「いやとんでもない、とんでもない、私はやっぱり、この点でも、参つなぎに待って、うう、いいことをしたと思いますよ」