Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
めがね
眼鏡
小川 未明
Lisez 眼鏡 (めがね) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 7 487 caractères · 16 écrans
「自転車屋のおじさん、いいんだよ。」と、小西は、むりに男を押さえました。そして、三人を引っ張るようにして、湯屋の前のすこしばかりの空き地へきました。
「きっと、あげるよ。今月の末まで、待ってくれない? 僕、新聞を配達しているのだから、お金をもらったら、すぐ持っていくよ。」
そういった、小西の顔色にも、言葉にも、真実があらわれていました。
「ああ、いつでもいいんだ。」
青木は、こう答えました。彼は、小西の境遇に同情したばかりでなく、むしろ、感心な少年だと心を打たれたのです。正吉も、小田も感じたことは、同じでありました。
三人は、また、もときた道を帰りました。最後まで、黙っていた父親や、おどそうとした若い男の顔は、三人の目にいつまでも残っていて、不快な感じがしたけれど、小西からは、まったくそれと反対な、快い印象を受けたのであります。自分たちの世界は、別だと考えたのは、独り正吉だけではなかったのです。いま、小西に対して感ずるものは、友愛の情よりほかにありませんでした。
「あっ、渡り鳥が!」と、小田が、大空を指しました。はるかに、空をたがいにいたわりながら、遠く旅をする鳥の影が見られました。