Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

がらすどのうち

硝子戸の中

夏目 漱石

Lisez 硝子戸の中 (がらすどのうち) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 52 702 caractères · 105 écrans

Aozora Bunko

或時私は二階へ上って、たった一人で、昼寝をした事がある。その頃の私は昼寝をすると、よく変なものに襲われがちであった。私の親指が見る間に大きくなって、いつまで経っても留らなかったり、あるいは仰向に眺めている天井がだんだん上から下りて来て、私の胸を抑えつけたり、または眼を開いて普段と変らない周囲を現に見ているのに、身体だけが睡魔の擒となって、いくらもがいても、手足を動かす事ができなかったり、後で考えてさえ、夢だか正気だか訳の分らない場合が多かった。そうしてその時も私はこの変なものに襲われたのである。

私はいつどこで犯した罪か知らないが、何しろ自分の所有でない金銭を多額に消費してしまった。それを何の目的で何に遣ったのか、その辺も明瞭でないけれども、小供の私にはとても償う訳に行かないので、気の狭い私は寝ながら大変苦しみ出した。そうしてしまいに大きな声を揚げて下にいる母を呼んだのである。

二階の梯子段は、母の大眼鏡と離す事のできない、生死事大無常迅速云々と書いた石摺の張交にしてある襖の、すぐ後についているので、母は私の声を聞きつけると、すぐ二階へ上って来てくれた。