Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かみがみのびしょう
神神の微笑
Lisez 神神の微笑 (かみがみのびしょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 156 caractères · 19 écrans
ある春の夕、Padre Organtino はたった一人、長いアビト(法衣)の裾を引きながら、南蛮寺の庭を歩いていた。
庭には松や檜の間に、薔薇だの、橄欖だの、月桂だの、西洋の植物が植えてあった。殊に咲き始めた薔薇の花は、木々を幽かにする夕明りの中に、薄甘い匂を漂わせていた。それはこの庭の静寂に、何か日本とは思われない、不可思議な魅力を添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、砂の赤い小径を歩きながら、ぼんやり追憶に耽っていた。羅馬の大本山、リスポアの港、羅面琴の音、巴旦杏の味、「御主、わがアニマ(霊魂)の鏡」の歌――そう云う思い出はいつのまにか、この紅毛の沙門の心へ、懐郷の悲しみを運んで来た。彼はその悲しみを払うために、そっと泥烏須(神)の御名を唱えた。が、悲しみは消えないばかりか、前よりは一層彼の胸へ、重苦しい空気を拡げ出した。
「この国の風景は美しい――。」
オルガンティノは反省した。
「この国の風景は美しい。気候もまず温和である。土人は、――あの黄面の小人よりも、まだしも黒ん坊がましかも知れない。しかしこれも大体の気質は、親しみ易いところがある。