Classiques japonais avec furigana
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かみがみのびしょう
神神の微笑
Lisez 神神の微笑 (かみがみのびしょう) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 156 caractères · 19 écrans
あなたは昔紅海の底に、埃及の軍勢を御沈めになりました。この国の霊の力強い事は、埃及の軍勢に劣りますまい。どうか古の予言者のように、私もこの霊との戦に、………」
祈祷の言葉はいつのまにか、彼の唇から消えてしまった。今度は突然祭壇のあたりに、けたたましい鶏鳴が聞えたのだった。オルガンティノは不審そうに、彼の周囲を眺めまわした。すると彼の真後には、白々と尾を垂れた鶏が一羽、祭壇の上に胸を張ったまま、もう一度、夜でも明けたように鬨をつくっているではないか?
オルガンティノは飛び上るが早いか、アビトの両腕を拡げながら、倉皇とこの鳥を逐い出そうとした。が、二足三足踏み出したと思うと、「御主」と、切れ切れに叫んだなり、茫然とそこへ立ちすくんでしまった。この薄暗い内陣の中には、いつどこからはいって来たか、無数の鶏が充満している、――それがあるいは空を飛んだり、あるいはそこここを駈けまわったり、ほとんど彼の眼に見える限りは、鶏冠の海にしているのだった。
「御主、守らせ給え!」
彼はまた十字を切ろうとした。が、彼の手は不思議にも、万力か何かに挟まれたように、一寸とは自由に動かなかった。