Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あきのかご

秋の駕籠

山本 周五郎

Lisez 秋の駕籠 (あきのかご) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 17 356 caractères · 35 écrans

Aozora Bunko

その日は神奈川泊りにした。第一日だから、ということだったが、宿へ着くとすぐ、客は二人に金を預けた。

「お世辞じゃないがおまえさんたちを覘う泥棒もいまいからね」いそという客は云った、「草津へいったときには自分が持っていてさ、二百両ばかりだったがそっくりやられましたよ、ええ、だからこんどは箱根まで頼みたいと思いましてね」

そして胴巻を預けられた。預かるについて、念のために数えてみたところ、大判で四百両、小判で五十両あった。もちろん封まで切りはしないが、六助と中次はわれ知らず眼を見合せた。その多額な金は、二人から不吉な予感を除いてくれたばかりでなく、浮かない気分からも解放してくれた。草津のときは二百両も盗まれたという、またこれだけの金をむぞうさに預ける。こんなことが大店の旦那でなくて誰にできるだろうか、悪人やいかがわしい人間に、そんなおうようなことができるだろうか。

「人はみかけによらねえものだ」六助があとで云った、「みかけだけで人を判断するのはよくないもんだ」

中次は頷いて、満足そうに太息をついた。

旅は快いものになった。客は(魚金にいるときとは別人のように)無口で、むだなことを殆んど云わなかった。