Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あるゆうかくでのできごと

空にむかひて

若杉 鳥子

Lisez 空にむかひて (あるゆうかくでのできごと) de 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 677 caractères · 46 écrans

Aozora Bunko

4 死への道

4 死への道

そしてまた彼女達は、何と容易に死を選ぶことだろう、刃物で、劇薬で、鉄道線路で……。

××楼のあの座敷は、三度情死のあった場所だろうか、壁を塗り代えても畳をとりかえても、すぐ血痕が附着するとか、線路上に飛散した男女の肉片が、夜来の豪雨に洗い曝された、烏賊の甲のようにキレイだったとか――色々のことを私は聴いた。

何時の世にもこうした悲惨な事件が、何処の遊郭にも公娼の制度の存する限り、記録なき歴史を繰り返してゆくであろう。

また私はある者が、暗い小部屋で肺患に呻吟しているのを見た。

蒼ざめ痩せ細っていても、まだ快方に向かう希望のある中は、一歩も其処から解放されることはできないだろう。譬えまた、自由に行け、行って静養しておいで! といわれた処で、帰るべき家に、病人の彼女が齎らしてゆくおみやげは、一家の負担を一層切なくする飢えをもってゆくだけだろう。

『大抵な女を、可哀想だと思って家に帰すと、帰って直ぐに死んでしまう、それは此処にいるように養生が出来ないからだ……』

彼女達の抱え主はよくそんな事をいう。何という悲惨な事だろう。そしてそれは抱え主の優越感ばかりでなく実際のようだ。