Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

くうしゅうそうそうきょく

空襲葬送曲

海野 十三

Lisez 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 95 012 caractères · 189 écrans

Aozora Bunko

その栓をぬいて紙面に、ふりかけようとした。丁度、そのときだった。

「ピューッ、ピューッ」

と、窓外に、口笛が鳴った。

青年は、ひどく周章てて、席を立とうとしたが、卓上の、手紙などを、懐中に入れようか、どうしようかと、躊躇した。が結局、手紙も、金も、小壜まで、そのままにして、カーテンの外へ、駈け出していった。

それと入れちがいに、大きな坊主頭が、ニュッと、カーテンの中に入ってきた。彼は素早く、封筒の中へ、フッと息を入れ百円紙幣を抜き出すと、封筒だけは、元の卓子の上へ抛り出した。ところが、運わるくそれが、小壜に触れて、パタリと倒してしまった。青い液体が、ドクドクと白紙の上に流れ出した。怪漢は、ひどく狼狽して、壜を指先に摘むと、起した。白紙の上には、青い液体が拡がって、沸々と白い泡を立てていた。彼は、半帛で、それを拭おうとして、紙面に顔を近づけた瞬間、ウムと呻くと、われとわが咽喉を掻きむしるようにして、其儘、肥えた身体を、卓子の上に、パタリと伏せ、やがて、ダラリと動かなくなった。

もしも、男爵と呼ばれた青年が、マスクも懸けないで、それと同じことをやったなら、彼もこの坊主頭の男と、同じ運命に落入る筈だった。