Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいにこんにゃくぼん
第二菎蒻本
泉 鏡花
Lisez 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 739 caractères · 32 écrans
二月ばかり給金の借のあるのが、同じく三月ほど滞った、差配で借りた屋号の黒い提灯を袖に引着けて待設ける。が、この提灯を貸したほどなら、夜中に店立てをくわせもしまい。
「おい、……何だ、何だ。」と框まで。
「あ、旦那様。」
と小腰を屈めたが、向直って、
「ちょっと、どうぞ。」と沈めて云う。
余り要ありそうなのに、急き心に声が苛立って、
「入れよ、こっちへ。」
「傘も何も、あの、雪で一杯でございますから。皆様のお穿ものが、」
成程、暴風雨の舟が遁込んださながらの下駄の並び方。雪が落ちると台なしという遠慮であろう。
「それに、……あの、ちょっとどうぞ。」
「何だよ。」とまだ強く言いながら、俊吉は、台所から燈の透く、その正面の襖を閉めた。
真暗になる土間の其方に、雪の袖なる提灯一つ、夜を遥な思がする。
労らい心で、
「そんなに、降るのか。」といいいい土間へ。
「もう、貴方、足駄が沈みますほどでございます。」
聞きも果てずに格子に着いて、
「何だ。」
「お客様でございまして。」と少し顔を退けながら、せいせい云う……道を急いだ呼吸づかい、提灯の灯の額際が、汗ばむばかり、てらてらとして赤い。