Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

だいにこんにゃくぼん

第二菎蒻本

泉 鏡花

Lisez 第二菎蒻本 (だいにこんにゃくぼん) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 739 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

「誰だ。」

「あの、宮本様とおっしゃいます。」

「宮本……どんな男だ。」

時に、傘を横にはずす、とバサリという、片手に提灯を持直すと、雪がちらちらと軒を潜った。

「いいえ、御婦人の方でいらっしゃいます。」

「婦が?」

「はい。」

「婦だ……待ってるのか。」

「ええ、是非お目にかかりとうございますって。」

「はてな、……」

とのみで、俊吉はちょっと黙った。

女中は、その太った躯を揉みこなすように、も一つ腰を屈めながら、

「それに、あの、お出先へお迎いに行くのなら、御朋輩の方に、御自分の事をお知らせ申さないように、内証でと、くれぐれも、お託けでございましたものですから。」

「変だな、おかしいな、どこのものだか言ったかい。」

「ええ、御遠方。」

「遠い処か。」

「深川からとおっしゃいました。」

「ああ、襟巻なんか取らんでも可い。……お帰り。」

女中はポカンとして膨れた手袋の手を、提灯の柄ごと唇へ当てて、

「どういたしましょう。」

「……可し、直ぐ帰る。」

座敷に引返そうとして、かたりと土間の下駄を踏んだが、ちょっと留まって、

「どんな風采をしている。」と声を密めると。

「あの真紅なお襦袢で、お跣足で。