Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぜっけいばんこくはくらんかい
絶景万国博覧会
小栗 虫太郎
Lisez 絶景万国博覧会 (ぜっけいばんこくはくらんかい) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 752 caractères · 31 écrans
「それは先生、どうしてなんで御座いますよ。まるでお伽噺みたいに、そんなことって……」
とお光は結綿を動かして、せかせかと息を喘ませていたが、杉江はその黒襟の汚れを爪で弾き取って、
「いいえ、それと云うのは、私の設えた幻燈なので御座います。あの二階の雨戸に一つ節穴があるのを御存知でいらっしゃいましょう。ですから、その上に硝子の焼泡が発するようにして締めたのですから、当然そこから入って来る倒かさの像が直立してしまって否でも次の障子にその黒頭の笄が似た形が、映らなくてはならないでは御座いませんか。つまり、普通ならば逆さに映るべきものが、真直に立っているのですから、現実上野にある観覧車が逆立ちしてしまったと。お祖母さまは思われたのです。ですけど、日頃は楓の樹に、邪魔されていて、その光線が雨戸に当らなかったのですから、それをし了せるためには、是が非にも楓を横に傾がせねばならなかったのです。ねえ光子さん、お祖母さまはどうして何故に、黒頭の笄の下向きを怖れられていたのでしょうか」
それに依るとお筆の急死は、瞬間現れた倒像に駭いての、衝撃死に相違いなかった。けれども、そうして現れた黒頭の笄が、何故に逆立ちすると、それがお筆の心臓を握りしめてしまったのであろうか。