Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

「ぞくスウィスにっき」はっくつのしまつ

「続スウィス日記」発掘の始末

小島 烏水

Lisez 「続スウィス日記」発掘の始末 (「ぞくスウィスにっき」はっくつのしまつ) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 557 caractères · 10 écrans

Aozora Bunko

ときも、ローザは「あの池の水が」と気にしていたという、突然、九月一日の大震災が来た、件の貯水池が、決潰して、辻村の家が五千坪もあるという庭園の、老樹と竹林を引っ括めて、泥流の海と化した、そして屋根だけが引き離されて、土瓶の蓋のように、瓦落瓦落の乱石と堆石の上に、おッ冠さっていた、小田原からは、幸いに生命を完うせられた常助氏一族が、飛んで来られた、土を掘り石を刎ね返えしたが、屍骸は一つも見当らなくて、書斎の本だけが出て来た、本といっても、辻村のことだから、山岳や、高山植物に関するものばかりであった、写真機も出て来た、それは『スウィス日記』に挿入したところの、写真を撮ったものであった、インタアラーケンの娘さんに愛嬌たっぷりで、高く売りつけられ、後で頭を掻いたという双眼鏡も出たが、レンズは滅茶になっていた、それから小形の皮表紙の日記が、泥だらけになって出たが、開巻のところに、遺言書というのが、細い楷字で、ペン書きに横罫の中にしたためられてあった、どういうものか、辻村は、震災以前から、死ということに対して、敏感になって、真面目とも冗談とも附かず「どうせ長生きをしない