Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶんがくずきのかていから

羅生門・鼻・芋粥

芥川 竜之介

Lisez 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 240 caractères · 69 écrans

Aozora Bunko

――そう思って、平気で、宗演老師の秉炬法語を聞いていた。だから、松浦君の泣き声を聞いた時も、始めは誰かが笑っているのではないかと疑ったくらいである。

ところが、式がだんだん進んで、小宮さんが伸六さんといっしょに、弔辞を持って、柩の前へ行くのを見たら、急にの裏が熱くなってきた。僕の左には、後藤末雄君が立っている。僕の右には、高等学校の村田先生がすわっている。僕は、なんだか泣くのが外聞の悪いような気がした。けれども、涙はだんだん流れそうになってくる。僕の後ろに久米がいるのを、僕は前から知っていた。だからその方を見たら、どうかなるかもしれない。――こんなあいまいな、救助を請うような心もちで、僕は後ろをふりむいた。すると、久米の眼が見えた。が、その眼にも、涙がいっぱいにたまっていた。僕はとうとうやりきれなくなって、泣いてしまった。隣にいた後藤君が、けげんな顔をして、僕の方を見たのは、いまだによく覚えている。

それから、何がどうしたか、それは少しも判然しない。ただ久米が僕の肘をつかまえて、「おい、あっちへ行こう」とかなんとか言ったことだけは、記憶している。