Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ぶんがくずきのかていから
羅生門・鼻・芋粥
Lisez 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 240 caractères · 69 écrans
出帆
成瀬君
君に別れてから、もう一月の余になる。早いものだ。この分では、存外容易に、君と僕らとを隔てる五、六年が、すぎ去ってしまうかもしれない。
君が横浜を出帆した日、銅鑼が鳴って、見送りに来た連中が、皆、梯子伝いに、船から波止場へおりると、僕はジョオンズといっしょになった。もっとも、さっき甲板ではちょいと姿を見かけたが、その後、君の船室へもサロンへも顔を出さなかったので、僕はもう帰ったのかと思っていた。ところが、先生、僕をつかまえると、大元気で、ここへ来るといつでも旅がしたくなるとか、己も来年かさ来年はアメリカへ行くとか、いろんなことを言う。僕はいいかげんな返事をしながら、はなはだ、煮切らない態度で、お相手をつとめていた。第一、ばかに暑い。それから、胃がしくしく、痛む。とうてい彼のしゃべる英語を、いちいち理解するほど、神経を緊張する気になれない。
そのうちに、船が動きだした。それも、はなはだ、緩慢な動き方で、船と波止場との間の水が少しずつ幅を広くしていくから、わかるようなものの、さもなければ、ほとんど、動いているとは受取れないくらいである。おまけに、この間の水なるものが、非常にきたない。