Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぶんがくずきのかていから

羅生門・鼻・芋粥

芥川 竜之介

Lisez 羅生門・鼻・芋粥 (ぶんがくずきのかていから) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 240 caractères · 69 écrans

Aozora Bunko

あすこを読むと、どうも樗牛は、いい気になって流せる涙を、ふんだんに持ち合わせていたような心もちがする。あるいは持ち合わせていなくっても、文章の上だけでおくめんもなく滂沱の観を呈しえたような心もちがする。その得意になって、泣き落しているところが、はなはだ自分には感心できなかった。人をあざむくか、己をあざむくか、どこかでうそをつかなければ、とうていああおおげさには、おいおい泣けるわけのものじゃない。――そこで、自分は一も二もなく樗牛をうそつきだときめてしまったのである。だからそれ以来、二度とあの「わが袖の記」や何かを読もうと思ったことはない。

それから大学を卒業するまで、約十年近くの間、自分は全く樗牛を忘れていた。ニイチェを読んだ時も思い出さなかったのは、自分ながら少々不思議な気もするが、事実であって見れば、もちろんどうするというわけにもいかない。ところが卒業後まもなく、赤木桁平君といっしょに飯を食ったら、君が突然自分をつかまえて樗牛論を弁じだした。そうして先覚者だとかなんとか言って、いろいろ樗牛をほめたてた。が、自分は依然として樗牛はうそつきだと確信していたから、先覚者でもなんでも彼はうそつきだからいかんと言って、どうしても赤木君の説に服さなかった。