Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

「暑いから、却って、こういうもの、いかがですか。」

「いやあ、結構ですな。」

帽子から服から靴まで、北村は夏でも黒色好みであるが、その黒の上衣を、酒となると脱いで、つぎはぎのあるシャツの上半身姿が、へんに年老いて見える。

佐竹はおもに煙草で、北村はおもに酒なのだ。

佐竹は煙ごしに尋ねてみた。

「菅原君から、先生のところへは、なにか、便りがありましたか。」

「菅原……。」北村はぐっと酒をあおった。「あれは手紙を書くのが嫌いな男ですな。」

「どうしてですか。」

「つまり、なかなか書かないから、書くのが嫌いだということになるわけですな。」

暫く間をおいて、北村は言った。

「菅原君が鉄砲玉のようになってしまった、そんな風に、友人たちは心配をしてるようですが、なあに、私は心配はしない。鉄砲玉は行方不明になるものだが、菅原君は行方不明にはなりはしない。いつか、ひょっこり帰って来ますよ。」

佐竹は酒をのみ、北村にもしきりにすすめた。

「ところで、先生、僕は気にしてることがあるんです。菅原君には、実は気の毒ですが、なにしろ嘱託ということになってるので、手当も充分には出していません。