Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

「私が挨拶してこよう。酒を飲んでいたんで、少し工合が悪いな。」

北村は庭におりていった。

松本順造はもう六十の年配だが、身体は頑丈で、印刷物を読む時以外は老眼鏡を用いず、浅黒い顔と禿げ上った前頭部とに重々しい貫祿がある。――北村にちょっと会釈を返し、傍の腰掛をすすめたまま、機嫌がよいのか悪いのか分らない表情だった。

千重子が用を聞きに来ると、彼は紅茶を求め、北村のために酒を持ってこさした。

「ちょっと眠りたいから、薬が利くまで、三十分ばかりで御免蒙るよ。」

「どこか、お悪いのですか。」

「この頃、どうも体の調子が悪いので、小泉博士に詳しく診察して貰うことにしているが、さし当っては、なるべく眠るように心掛けている。睡眠が第一だからね。」

「小泉さんから、なにか、注意でもありましたのですか。」

「いや、まだ診て貰ったわけではない。」

そこで、暫し言葉がとぎれた。

「さあ、遠慮なくやってくれ。」

すすめられるままに、北村はまた酒を飲みはじめた。

「どうも、わるい予感がしていかん。実際のところ、僕がどっと寝ついたりすると、富子はあまり丈夫な方ではないし、順一はまだ学生だし、娘は二人とも世の中のことを知らないし、困ることが多いだろうと思って、ばかな取越し苦労をするんだよ。