Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はですがたまんねんわかしゅ

艶容万年若衆

三上 於菟吉

Lisez 艶容万年若衆 (はですがたまんねんわかしゅ) de 三上 於菟吉 (みかみおときち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 800 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

ところが先程から片里の言葉を聴いているうちに、ふと、今迄に覚えなんだ怪しい思いが胸に燃えはじめて、さてはこの自分のからだには、そうした万人にすぐれた美が宿っているのかと、われながら驚かれると同時に、しかし又あまり大仰な片里の讃詞が、半信半疑にも聴きなされもしたのでした。

けれどもいま、呉羽之介はまざまざと、自分のすがたを目の前に見たのです!

――オオ、これがほんとうの自分であろうか!

呉羽之介は絖の上に生々と描かれた、いつぞや等覚院へ詣る途中、池の端ではじめて露月に逢った時そのままの自分の若衆すがたをみつめつつ、まるで喪心したようになってしまいました。かたわらの片里も、今も今とて、これが自分にそっくりそのままだと証言した――露月もそもそもこの絵にかかる当初、どうにかして現在のすがたを寸分たがわず絹にうつして、いつまでも残したいと言いもした――して見れば、ほんとうにこれが自分の正直な絵すがたなのであろう!

――何といううるわしさだろう!

呉羽之介は今更ながら、自分の美貌に気がついて、吐息と一緒に心の奥で呟やいたのであります。

ほんに呉羽之介自身にしても、これまでにこの絵姿のように美くしい男を見たこともなければ、これよりあでやかな婦女を巷に見たこともないのでした。