Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しばいきょうぼうけん
芝居狂冒険
夢野 久作
Lisez 芝居狂冒険 (しばいきょうぼうけん) de 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 334 caractères · 21 écrans
眠るどころの沙汰ではなかった。別段、惚れているという訳ではないけれども、あの可愛い桃割髪(ももわれ)の娘が弐千円のお金と一所に、あの凄者(すごもの)らしい青年に見す見す引っ泄(さら)われて行くのを、黙って見ている訳にはドウしても行かなかった。……のみならずあの中折のインバネスがタッタ一人でニヤリと洩らした、あの微笑の物スゴさばっかりは、どうしても忘れられなかった。あの笑い方はタダの笑い方じゃなかった。マンマと首尾よく女を欺し上げた事を喜ぶ以上の深刻な或る意味が含まれているようで、今まで見た芝居の悪党笑いのドレにも当てはまらないものである事を万平はハッキリと見て取っていた。何かしら今夜、あの材木置場(おきば)で、あの娘の身の上に、大変な事が起りそうな気がする。それに気附いているのは、広い世界にタッタ俺一人なのだ。しかも、その俺の心配を誰も相手にしてくれる者は居ないのだ。……そうだ。俺は今夜、一番、生命(いのち)がけの冒険をやって、その大間違いを喰い止めなければならない主役(たてやく)なのだ……そう思うと万平は胸がドキドキして仕様がなかった。
万平は元来、非常な臆病者であった。