Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くさまくら
草枕
Lisez 草枕 (くさまくら) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 485 caractères · 170 écrans
三
七曲りの険を冒して、やっとの思で、ここまで来たものを、そうむやみに俗界に引きずり下されては、飄然と家を出た甲斐がない。世間話しもある程度以上に立ち入ると、浮世の臭いが毛孔から染込んで、垢で身体が重くなる。
「御婆さん、那古井へは一筋道だね」と十銭銀貨を一枚床几の上へかちりと投げ出して立ち上がる。
「長良の五輪塔から右へ御下りなさると、六丁ほどの近道になります。路はわるいが、御若い方にはその方がよろしかろ。――これは多分に御茶代を――気をつけて御越しなされ」
三
昨夕は妙な気持ちがした。
宿へ着いたのは夜の八時頃であったから、家の具合庭の作り方は無論、東西の区別さえわからなかった。何だか廻廊のような所をしきりに引き廻されて、しまいに六畳ほどの小さな座敷へ入れられた。昔し来た時とはまるで見当が違う。晩餐を済まして、湯に入って、室へ帰って茶を飲んでいると、小女が来て床を延べよかと云う。
不思議に思ったのは、宿へ着いた時の取次も、晩食の給仕も、湯壺への案内も、床を敷く面倒も、ことごとくこの小女一人で弁じている。それで口は滅多にきかぬ。と云うて、田舎染みてもおらぬ。