Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
Lisez 蓼喰う虫 (たでくうむし) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 110 066 caractères · 216 écrans
に人形町の水天官で七十五座のお神楽を見た以来であると思ったが、この小屋掛けの中の気分はちょうどあれと同じである。屋根にも四方にも莚が張ってあるとは云うものの、莚と莚との合わせ目が隙間だらけで、見物席に日光の斑点が出来、ところどころに青空が見えたり河原の草のすいすいと伸びたのが覗いていたりして、あたりまえなら煙草の煙で濁っている筈の場内の空気が、げんげやたんぽぽや菜の花の上を渡って来る風で野天のようにカラリとしている。場席の平土間にあたる所は地べたへござを敷いた上に坐布団が並べてあって、村の子供たちが駄菓子や蜜柑をたべながら芝居の方はそっち除けに、そこを幼稚園の運動場のようにして騒いでいる様子は、やはり里神楽の情趣と変りはない。
「成るほど、これは又文楽とは大分違うね」
三人は弁当の包みを手に持ったまま暫く足も蹈み込めないで、子供たちの跳梁するのをぼんやり立って眺めていた。
「とにかく始まってはいるんですな、人形が動いていますから。―――」
要の眼には、その幼稚園騒ぎの向うにチラチラしている光景が、弁天座で見た浄瑠璃劇とは種類の違った、一つのお伽噺の国―――何か童話的な単純さと明るさとを持つ幻想の世界―――であるように映った。