Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ばらふじん
薔薇夫人
江戸川 乱歩
Lisez 薔薇夫人 (ばらふじん) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 8 967 caractères · 19 écrans
二
やがて、彼の肩が妙にふるえ、両手の中から、少女が笑っているような声が漏れた。そして、手の指のあいだから、キラキラ光るものが、にじみ出して来た。
婦人は黙ってそれを見ていた。したいようにさせておいた。
浩一はやっと泣きやんで、涙にぬれた顔をあげた。そして、低い鼻声で、恥かしそうに云った。
「なぜ泣いたかわかりますか。…………あなたが好きだからです」
彼は激情のためにブルブルふるえていた。
「もういいのよ。泣かないで。あなたの気持よくわかるわ。あたしだって、好きよ。涙にぬれた顔、まるで違うように見えるわ。美しいのよ。あなた、自分の美しさを知っていて?……あなたのような人に会ったの、はじめてよ」
婦人は浩一の髪の毛を、もてあそんでいた。
(以下二百字詰原稿用紙七枚脱落)
目色でわかった。
「九時カッキリよ。わけがあるの。忘れないで」
ドアの外まで見送って、彼女はそれを彼の耳のそばに、くりかえしていた。
二
宮城圭助は、碌々商会の皆川常務が要談をすませて立去るのを、鄭重に送り出してから、半分ほどになった葉巻を、灰皿の中におしつぶし、パンパンと、ほこりを払うように両手を打ち合せた。