Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はだかぎ

裸木

豊島 与志雄

Lisez 裸木 (はだかぎ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 049 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

ただ、眼に見えなくて、感じられるだけのものだが……然し、もし空虚そのものが眼に見えるようになったら……。」

「そりゃあ……困る……。」

「困るとか困らないとかいう問題じゃないよ。全く思いもよらないことなんだ。」

「誰だってそんな……。だが、考えてみれば、それも愛情のせいかも知れないよ。」

「愛情……そういった気持とは全く別なものだ。僕は何だか不気味な恐ろしい気持さえしてるんだから。」

佐野も聞いてるうちに何だか変な気持になりかかっていた。それは単に気のせいだ、と云ってしまいたかったが、武田の調子や顔付を正面にしては、そうも云いきれないものがあった。

暫く黙り込むと、武田の顔はまた憂鬱な仮面みたいになっていた。

「外を少し歩こうか。」

「うん。」

街路の方が、燈火の度は遙に淡かったけれど、佐野には、ずっと明るいところへ出たような気がした。多くの通行人の頭の上を軽い風が吹き過ぎていた。空高く、星が二つ三つ光っていた。方々で、ラジオの喇叭から、無関心な騒音が流れ出ていた。

武田は何かに怒ってでもいるかのように、黙って真直に歩いていた。単衣に兵児帯、そして太い支那竹のステッキをついて……。