Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

はだかぎ

裸木

豊島 与志雄

Lisez 裸木 (はだかぎ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 049 caractères · 33 écrans

Aozora Bunko

――一定の形を具えた空虚……動き廻ってる空虚……。

佐野はそんなことを頭の中でくり返した。

暫くぶりに、レストランの中でふいに現われて、変なことを饒舌って、仮面みたいな憂鬱な顔をして、今黙々として歩いてる武田自身が、形はあるが空虚だったら……。拳固でどやしつけて、その拳固がすっと突きぬけたら……。

佐野は我ながらばかばかしくなった。とたんに、衝動的に、武田の肩を叩いた。骨立った薄っぺらな固い感じがした。

「え?」

振向いた武田より佐野の方が、なおびっくりしていた。

「だって……おかしいじゃないか。」

何がだってだか……ただそんな風に云ってみた。

「何だい、だしぬけに……。」

好奇な鋭い眼付は、武田の存在を生々とさした。

「なに……一寸……。」

考えてるうちに佐野は落付いてきた。愉快そうな顔をした若い女が、幾人も通っていた、男も……。

「こんなことがあるよ。結婚して二三年すると、一種の倦怠期と云うか……免に角、夫婦生活に興味がなくなって、淡い幻滅の時期がくる。誰だってそうらしい。そして自由な独身者を羨んだりするようになる。夫婦生活というものが、変に束縛という風にばかり感じられて、細君が亡くなったらと、そんな想像までするようになる。