Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

らしんのにょせん

裸身の女仙

野村 胡堂

Lisez 裸身の女仙 (らしんのにょせん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 14 437 caractères · 29 écrans

Aozora Bunko

鞍馬は、何程かのお鳥目を娘に握らせて、其儘宿に飛んで帰りました。

慣れた旅支度と言っても夕景まで手一杯に急いで、小日向の安城邸に駈け付けたのはもう戌刻(八時)少し前、夏の日もすっかり暮れ切って、忍びの旅立ちには丁度宜い頃合でした。やがて、門を出て来たのを見ると、駕籠が二挺、一つはお鳥の捕われの姿で、一つは、主人の郷太郎でしょう。それに用人、仲間、草履取まで一行八人、さすがに大身だけ警固に一分の隙があろうとも思われません。

特に用人小畑藤三郎は、中年者乍ら槍の名人、道中は長物を憚って、袋のままの手槍を毘沙門突きに、大きい眼を四方に配ります。

門を出ると直ぐ――。

「小畑、先程も申す通り、万一曲者に出逢ったら、其方は先ず第一にその槍で、女の駕籠を刺すのだ。間違っても、曲者に向ってはならぬぞ」

先の駕籠から斯う声を掛けたのは、言うまでもなく安城郷太郎、お鳥を狙う者のあるのに、薄々気が付いたのでしょう。

萩江鞍馬は、分別もなく、一行の後を追いました。

泊りを重ねて、碓氷へかかったのは、それから四日目、安城郷太郎の一行は、日の暮れたのも構わず、峠道へ――、傍目も振らずにかかりました。