Classiques japonais avec furigana
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さいおんじこうのしょくどうらく
西園寺公の食道楽
北大路 魯山人
Lisez 西園寺公の食道楽 (さいおんじこうのしょくどうらく) de 北大路 魯山人 (きたおおじろさんじん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 2 677 caractères · 6 écrans
五月の大事変(注・昭和七年五月十五日、陸海軍将校ら首相官邸などを襲撃、犬養首相を射殺した、世に言う五・一五事件)直後、緊張しきっている帝都へ、興津の坐漁荘を出て乗り込まれた西園寺公の駿河台における警戒裡の日常嗜好の一端が、去る五月二十八日の「東京朝日新聞」紙上に、如上のような三段抜きの見出しの下に、
「園公滞京中、駿河台付近の人々の不思議がったのは、園公邸から時折田舎めいた煙の立ち上る事で、これは老公が松薪でたいた飯でなければ口にせぬからで、また魚屋などへの注文もたひの目玉だけとか、たひのわき腹一寸四方だけとか、おかぶ三銭とかいふ鳥のすり餌のやうな微妙な御注文なので、“光栄”とは感じながらも、いささか恐れいってゐたのは園公の駿河台経済戦線に及ぼした珍影響であった」
と、出ている。
この記事に拠ると、西園寺公は、かねて噂に聞いているように、たべものにはなかなかやかましい人だなということがわかる。「鳥のすり餌のやうな」という文句があるが、鳥のすり餌のように、単にやわらかいとか、消化がよいとかいう意味以外に、西園寺公は今もって食道楽があるようである。
新聞の記事だからあまり当てにはならないが、「松薪でたいた飯でなければ口にせぬからで」