Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Lisez 註文帳 (ちゅうもんちょう) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 770 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

「ちょッ、」と舌打、振返って、暗がりを透すと、明けたままの障子の中から仕切ったように戸外の人どおり。

やがて旧の仕事場の座に返って、フト心着いてはッと思った。

「おや、変だぜ。」

五助は片膝立て、中腰になり、四ツに這いなどして掻探り、膝かけをふるって見て、きょときょとしながら、

「はてな、先刻ああだに因ってと、手に持ったまま、待てよ、作平は行ったと、はてな。」

正に今日の日をもって、先刻研上げた、紅梅屋敷、すなわち寮の女お若の剃刀を、どこへか置忘れてしまったのであった。

「懐中へは入れず、」といいながら、慌てて懐中へ入れた手を、それなり胸に置いて、顔の色を変えたのである。

しばらくして、

「まさか棚へ、」と思わず声を放って、フト顔を上げると、一枚あけた障子の際なる敷居の処を裾にして、扱帯の上あたりで褄を取って、鼠地に雪ぢらしの模様のある部屋着姿、眉の鮮かな鼻筋の通った、真白な頬に鬢の毛の乱れたのまで、判然と見えて、脊がすらりとして、結上げた髪が鴨居にも支えそうなのが、じっと此方を見詰めていたので、五助は小さくなって氷りついた。

「五助さん、」と得も言われぬやや太い声して、左の手で襟をあけると、褄を持っていた手を、ふらふらとある袖口に入れた時、裾がはらりと落ちて、脊が二三寸伸びたと思うと、肉つき豊かなぬくもりもまだ