Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lisez 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 146 caractères · 40 écrans

Aozora Bunko

治療に来るのはいずれも襤褸を着た、汗と垢まみれの、臭くて汚ない行倒れか、それに近い貧乏人ばかりである。これらの世話だけでも手いっぱいなのに、外診の供もしなければならず、しかも給与は極めて少ない。初めに登がいやがったのが当然で、いま敢てここに残る、というほうが不自然なくらいであった。

「なんだ」と登が云った、「どうしてそんな眼でおれを見るんだ」

「なんでもないさ」と半太夫は答えた、「ただその話はいそがないほうがいい、機会をみて云いだすほうがいいと思うね」

「助言してくれるか」

「やってみよう」と半太夫が云った。

明くる朝、まだ暗いうちに、人の騒ぐ声で登は眼をさました。はっきりしない耳に、放してくれ、という女の叫び声と、抱き止めているらしい人声が、廊下の向うで聞えた。登はすぐに起きあがって着替えをし、部屋を出てそっちへいってみた。――廊下の掛けあかりの灯がまだ明るく、素足で踏む板敷は氷のように冷たかった。騒いでいるのは病室の戸口のところで、登が近よってゆくと、付添に来ている女たちが四人がかりで、暴れるおえいを押えつけているところだった。

「静かにしろ」と登が云った、「ここには重い病人がいるんだぞ」